先代が遺した想い

「歯触りが爽やかで、なんて美味しいんだろう」

先代が“舌焼亭”を始めたきっかけは、九州・鹿児島で分厚くカットされた牛タンに魅せられたことでした。当時、東京で牛タンといえば硬い舌先を薄くスライスした仙台流が主流。分厚いタンを串に刺した“九州スタイル”を目にして、先代はとても感動したといいます。

東京へ戻った先代は一念発起、“九州スタイル”の牛タン専門店を開店。多くの方に「感動」してもらいたいと、タンはもちろん、塩ひとつにいたるまで妥協を許さず、試行錯誤を重ねてきました。
30年来、足繁く通ってくださっている常連さんはこう言います。「先代は、自分の生き方を通してきた人。当時から“舌焼亭”といえば、野球選手や俳優さん、お相撲さんなど、多くの著名人が訪れる名店でした。でも、先代は誰に対しても同じように優しかった。それでいてひとたび肉に向き合うと、ものすごく頑固。黒毛和牛のいいものが入らない日は店を開けないこともあり、職人気質に溢れた人でした。料理がおいしいのはもちろん、先代に会いに行くのがもうひとつのごちそうでしたね」

「日々勉強」を口ぐせに、本質を見極め、基盤を変えることなく革新し続けていく。
そんな先代の想いは、今も変わらず受け継がれています。

下町情緒溢れる根岸に店を構えて40年

昭和47年、浅草にて創業。その後、先代が生まれ育った根岸に移転。以来、柳通りに面したこの場所で、みなさまをお待ちしています。
先代が他界した際には閉店も考えましたが、常連さんの温かい声に励まされ、“舌焼亭”を続ける決心をいたしました。

カウンター12席のみの小さなお店です。ご予約の上、ゆっくりとおくつろぎください。

昭和の風情を残す、根岸・柳通り

かつて、多くの文人や噺家が暮らし、昔ながらの町家が今もなお軒を並べる、根岸。
開店当時は花柳界があったため、芸者さんをはじめとする華やかな人たちで毎夜賑わっていました。なかでも、“舌焼亭”のある柳通りは、当時のメインストリート。 しだれ柳がアーチのように続く通り沿いには洋食、寿司、和菓子など、老舗の名店が並び、また店の灯りがともりはじめる夕暮れ時は、そこはかとない風情が漂います。
“舌焼亭”では、そんな古きよき昭和の文化も含め、根岸の良さを皆様にお伝えできればと思っています。

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